<短期留学生の活躍>

【津川友利江】

 フランス国立の現代舞踊団であるプレル・ジョカージュバレエ団のヴェルサイユ公演は人気演目である”ロメオとジュリエット”でした。この公演の成功を背負う主役ジュリエットに選ばれた津川友利江は登場から可憐でありながらミステリアスな魅力を漂わせ、終盤の死せるロメオに体当たりをくり返して踊りながら自らも死を決意する場面は圧巻で、この公演のハイライトとなりました。300年も前のフランス革命以前に建てられた貴族社会の象徴であるヴェルサイユのオペラ座で、コンテンポラリーダンスの公演が行われるというところにもフランスの文化に対する一歩進んだ考えを見る思いがしました。(2015年12月公演)

【重成沙羅】

 スイスのジュネーブに本拠を置くグランテアトル・ド・ジュネーブバレエ団のリヨン公演を見に行きました。演目は現代版の”くるみ割り人形”で、全幕を通して主役のマリーが中心に踊りを展開していきます。この大役に選ばれた重成沙羅は期待に充分応える活躍で、彼女にしか出せない個性を発揮しながらクライマックスになるパ・ド・ドゥを爽やかに踊りきり、満員の観客から盛んな拍手を受けていました。数年前に私達の公演に出てくれた時から大きく成長した姿に、遠くまで見に来た甲斐があったと私達も嬉しい想いをしました。(2015年12月公演)


<2人の受講生 パリ・オペラ座で踊る>

【鳴海令那】

 夏期特別講習会に数年に渡り参加し、のちにフランスで工藤大貳の主宰する日仏芸術舞踊センターに第6期生として留学していた鳴海令那がスウェーデン王立バレエ団に入団し振付師マッツ・エックに見い出され、彼の「ジュリエットとロメオ」のジュリエット役を2015年1月7日にパリ・オペラ座の舞台で踊りました。とても小柄でありながらエネルギーにあふれ、ダイナミックな動きから繊細で張りつめた雰囲気まで自在に踊り分け、この2幕からなる作品の要となり、最後には観客から熱烈な賞賛を受け大成功となりました。まだ若くドゥミソリストながら、バレエ団のパリ・オペラ座の舞台でのフランス公演を成功へと導く大役を果たしました。

【津川友利江】

 パリ・オペラ座で踊るといえば、やはり同じく夏期特別講習会に参加し短期留学生に選ばれた津川友利江は、フランス国立プレル・ジョカージュバレエ団に入団し、一昨年2013年1月のパリ公演でオペラ座の舞台に立ち、プレル・ジョカージュ振付「エルドラド」に出演し神秘的な東洋の魅力を表現していました。